着物ファンの憧れ!高級織物の結城紬(ゆうきつむぎ)を知ろう

着物好きが憧れる着物って一体どんな物なのか気になりませんか?

今回は、日本最古の歴史を持つ最高級の絹織物「結城紬」についてご紹介します。

着物が好きなら知っておきたい情報になっているので、是非最後までお楽しみくださいね。

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目次

結城紬ってなに?

画像出典:KOGEI JAPAN

「結城紬」は2000年以上前から受け継がれていて、全工程が手作業で行われている織物です。

中でも、“糸つむぎ・絣(かすり)括り・地機織り”、これら3つの工程は、

・昭和31年 「国重要無形文化財」

・昭和52年 「伝統的工芸品」

・平成22年 「ユネスコ無形文化遺産」

に登録された日本が誇る文化。

ふわっとした触り心地で肌なじみが良く、軽いだけじゃなく温かさを保ってくれる優れものなんです。

結城紬の歴史

画像出典:中川政七商店の読みもの

「結城紬」の発祥は奈良時代。

朝延に献上された“絁(あしぎぬ)”と呼ばれる粗末な織物が始まりと言われています。

その後、“常陸紬(ひたちつむぎ)”と名を変えて親しまれるようになり、質素でありながらも丈夫なことから武士に好まれ、結城地方が生産の中心となっていったのだそう。

室町時代には「結城紬」と呼ばれるようになり、幕府や管領に献上される代物に。

当時の百科事典に最上品の紬と紹介されるほど、全国的にも有名な産物となったのです。

製作工程

画像出典:中川政七商店の読みもの

「結城紬」は多くの工程によって作られています。

手作業で紡いだ無撚糸(むねんし)の糸には撚りがないので、柔らかい生地に仕上がります。

織る職人の力の入れ具合によって、結城紬特有の軽さと暖かさを兼ね備えた生地が作り出されているのです。

糸つむぎ

「結城紬」の原材料には、蚕が覆われている繭が使用されています。

ここからは、繭を紡いで糸になるまでの工程をご紹介します。

①重曹を加えたお湯で繭を約2時間ほど煮込む

②ある程度柔らかくなったら、ぬるま湯を張ったタライに移す

③5、6粒ほどの繭を拳を使って広げて真綿を作る

1反の結城紬を作るには乾燥させた真綿が350枚ほど必要。

同じ作業を何度も繰り返しおこなうため、かなりの労力を要します。

④完成した真綿を両手で広げて“つくし”と呼ばれる専用の道具にひっかけて回転させる

画像出典:とちぎふるさと学習

⑤端から糸を引き出しながら、ツバをつけた指先で細く捻りながらまとめていく

伸ばす長さによって太さが変わるので均一にするためには熟練の技が必要なのだそう。

⑥引いた糸を“オボケ”という専用の容器に溜めていく

画像出典:とちぎふるさと学習

オボケが糸で満杯になった状態を“1ボッチ”と呼び、紡ぐ日数は個人差はあるものの、平均して約7~10日も掛かるのだとか。(長さで表すと約4~5000メートル。)

本場の結城紬と認定されるつむぎ手になるには10年以上の経験が必要なのだそう。

整経

画像出典:とちぎふるさと学習

⑦つむいだ糸の長さと本数を揃え、経糸を作る

1反は約12.3メートルの規定があるので、余裕を持って約14メートルで作ります。

必要な本数は、上糸が640本と下糸が640本の計1280本。

(無地、縞柄以外だと本数は変化)

柄の付け方

⑧作りたいデザインに合った方法で色や柄をつける。

経糸を枠に巻き付ける“絣(かすり)くくり”

画像出典:とちぎふるさと学習

“絣(かすり)くくり”は、図案に合わせて墨をつけ、そこを綿糸で縛る作業のこと。

縛った部分には染料が染み込まないので色がつかない仕組みになってます。

縛りが弱いと染まってしまったり、綿糸が取れたりする可能性があるため、力のある男性がおこなうことが多い作業。

単純なものでも160箇所、細かさのある模様だと約400箇所にも及び、1反で数万箇所の縛りが必要な場合もあるのだそう。

縛る強さの統一のために1人で行わなければならず、数ヶ月かかることもある作業です。

直接染める“すり込み”

画像出典:廣田紬株式会社

戦後に開発された、墨付けした部分に直接染料をつける技法です。

地の色が濃色に限られてしまう“絣(かすり)くくり”に対して、“すり込み”は淡色の経糸に模様をいれることが可能。

明るい色の反物でも作ることができます。

糊付け

⑨強度を増すために糊付けをする

小麦粉を水で溶いて糊状にしたものに糸を浸し、風通しの良い日陰に干す。

これを3回ほど繰り返すことで、強度が増した糸になります。

天候や、糊の状態によって左右される作業なので経験が必要な作業なのです。

⑩仕上げの湯通し

着物に仕立てる前に行われる“湯通し”。

45度前後のお湯に反物を浸して糊を落とす作業で、織元とは別の専門の業者が行っています。

結城紬制作の最後の工程で、糸の風合いをもとに戻す大切な工程。

このようにして、長い月日をかけて「結城紬」は作られているのです。

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まとめ

画像出典:中川政七商店の読みもの

日本最古の「結城紬」は、古くから伝わる職人の技が必要な高級絹織物です。

本場の結城紬は全て検査され、長さや打ち込み数などの15項目の規定を満たした物のみ合格証紙が貼付されるのだそう。

この記事を読んで、世界に誇る「結城紬」の魅力を知っていただけたのであれば嬉しいです。

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