個性的でユニークな着物の柄、「更紗(さらさ)」の魅力を徹底解説!

着物が好きだと、さまざまな種類のものを着てみたいなと思いますよね。

色無地の着物は場所を選ばず着用ができて、ちょっとした買い物からフォーマルな場まで、幅広く活躍してくれることでしょう。

しかし、シンプルな着物だとちょっと面白みが足りないと感じる人もいるのでは?

たまには印象の違った派手な着物も着てみたくなるのが着物好きの性というものですよね。

そこで、この記事ではユニークで個性的な柄が特徴の「更紗(さらさ)」の着物についてご紹介していきます。

ちょっと派手すぎるのでは?と思うかもしれませんが、思わず着てみたくなるようなその魅力を早速チェックしていきましょう。

目次

更紗ってなに?

画像出典:楽天市場

「更紗」とは、インド発祥の独特の模様を多色に染めた布製品、またその製法と似た模様染めの製品を指す染織用語のことです。

大航海時代にインドから全国各地へ広がったとされていて、今や世界中で親しまれている木綿の染織品。

なんとモヘンジョ・ダロの遺跡からインド更紗の断片が発見されるほど、深い歴史を持っているのだそう。

今は「更紗」と書きますが、江戸時代には「佐羅紗」・「皿紗」・「佐羅左」・「紗羅染(しゃむろそめ)」または印華布とも呼ばれていたそうですよ。

更紗の歴史について

画像出典:楽天市場

更紗には長い長い歴史があり、3000年以上も前から庶民だけでなく身分の高い王族にも親しまれていたのだとか。

その歴史について説明していきましょう。

16世紀

インド発祥の更紗はポルトガルとスペイン、ヨーロッパやペルシア地方へと渡りました。

日本で知られたのは桃山時代のことで、ポルトガル船によって長崎へ。

インド更紗の異国感のある独特な模様と鮮烈な色使いは、それまでの日本には無かったため多くの人に衝撃を与えました。

その珍しさゆえ、大名や豪商などへ献上され珍重されたのだという。

17世紀初期

イギリスとオランダが設立した東インド会社がインド貿易を占領するように。

そうなると、各国から注文を受けてインドで生産するオーダーメイドシステムになりインド更紗は瞬く間に有名に!

この時期が最盛期とも言われています。

当時のインドの綿織物は世界最高峰で、更紗を作るための綿糸を平織りする技術はインドでしか生産不可能なものでした。

江戸時代に人気を集めた縞織物の、“唐桟留(からさんとめ)”もインドから輸入されたもので、豪商や武家などの江戸の町民から莫大な人気を誇っていたのだそう。

18世紀

イギリスの産業革命に伴って、インド国内の綿織業態は衰退していきます。

第二次世界大戦後に独立したインドは染色技術が一気に近代化されて手工業の技術が衰えてしまいます。

手工業製の「更紗」は希少性が高い古布のひとつなのです。

広まった各地で模様は進化していき、地域特有の更紗が発展していったのだという。

更紗の種類

世界中で人気を集めた更紗には、伝わった地域毎に種類や呼び名が変わります。

インド更紗(印度更紗)

画像出典:楽天市場

「インド更紗」の最大の特徴は鮮やかな色調で描かれたエキゾチックな模様と言えるでしょう。

植物性の木綿を茜色に染める技術はインドが最初なのだそう。

日本でも古来では藍色や茶色がセオリーでした。

科学的な視点から染料を考えて染められた鮮やかな染色こそインドの功績なのです。

地域によっては、ジャワ更紗・ペルシャ更紗・シャム更紗と呼ばれています。

手作業で作られた温もりを感じる更紗は、世界中に輸出されるようになったのだそう。

インドから渡った更紗は「古渡更紗」、日本に渡ってきたものは「日本古渡更紗」と呼ばれるなど、それぞれの国で独自の発達を遂げていったのも興味深いですよね。

日本産の和更紗

画像出典:帯のアトリエ 花邑

日本更紗の中でも早くに作られたものは「鍋島更紗」と呼ばれて親しまれていました。

江戸時代後期には模倣作品が製作されるほどの人気になり、天草更紗、長崎更紗、堺更紗、京更紗、江戸更紗などが有名に。

模様づくりは手書き以外に、木盤や伊勢型紙を用いた型染めがあったのだそう。

茜色に染める技法がなかった日本の和更紗は、地味で控えめな色彩が多く、日本らしい風物を取り入れた物が多いのだとか。

この他にも長崎更紗、堺更紗、京更紗、江戸更紗など地域によって異なる数々の種類が作り出されました。

これらは元々は男性の下着や和装の小物、風呂敷などに使用されていたのですが、大正時代からは、着物を作るための着尺や帯にも染められるようになったそうです。

第二次世界大戦後は更紗の着物が普及するようになりました。

コーディネート

画像出典:きものおもひ

一見派手に見える更紗の着物ですが、コーディネートを楽しむためのポイントがあります。

それは、帯合わせです。

柄が印象的でエキゾチックな風合いが多い更紗の着物は、最初はベージュなどの落ち着いたカラーの帯を合わせることで、スッキリとした印象にすることができるんだそう。

帯のデザインに迷った時は、無地や幾何学模様を選ぶと全体的に収まりが良いそうです。

エキゾチックな更紗調の雰囲気を活かしたい場合は、インパクトのある帯を合わせて、あえて柄×柄のコーディネートも◎。

着物に含まれる色で帯や小物系をまとめるなどすると、全体的に統一感が生まれて上級者コーデに見えそうですね。

まとめ

いかがでしたか?

この記事では、ユニークな柄が特徴的な「更紗」の着物についてご紹介しました。

種類や歴史など知らなかった情報を得ることで新たな魅力に気づいた人も多いのではないでしょうか。

印象的な柄が多い「更紗」ですが、自分なりのコーディネートで他の人と差をつけることだってできます。

お気に入りの格好でおでかけを楽しんでみてはいかがでしょうか?

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