着物の染色に必要不可欠!人間国宝の職人が作る「伊勢型紙」を徹底解説!

みなさんは、着物といったらどんな柄を想像しますか?

存在感のある華やかな柄や、無地のように見える細かな柄などたくさんの種類がありますよね。

好みや用途によって使い分ける人も多いのではないでしょうか。

このような着物の柄はどうやって作られているか知っていますか?

今回は、柄の着物を作る時に必要不可欠な「伊勢型紙」についてご紹介していきます。

  • 着物に詳しくなりたい
  • 小紋とはどういうものか知りたい
  • 着物を着る機会を作りたい
目次

「伊勢型紙」ってなに?

出典:伊勢型紙 おおすぎ

友禅や江戸小紋などの模様は“型染め”という方法で作られています。

型紙と呼ばれる台紙を用いて染められているのですが、その中でも「伊勢型紙」は、日本の染め物になくてはならない存在。

通常の和紙に比べて強靭な美濃和紙を原材料とし、強度が上がるよう3〜4枚を柿渋で貼り合わせて型地紙が作られます。

そこに彫刻刀のような専用の道具を使って、手作業で図柄を彫ったものが「伊勢型紙」です。

図柄を彫るには職人技術が必要とされていて、あまりにも高度な技術で作られた「伊勢型紙」は、国の伝統工芸品として指定されています。

現在国内で流通しているうちの99%は、三重県の鈴鹿市白子地域で作られているのだそう。

伊勢型紙の4種の技法

出典:伊勢型紙共同組合

地紙に専用の彫刻刀を使って柄を彫っていく「伊勢型紙」は、修行を積んだ職人にしか作ることができません。

その技法は大きく分けて4種類。

彫刻刀を使い分けて製作するそれぞれの技法の特徴をご紹介します。

①縞彫り(しまぼり)・引彫り(ひきぼり)

出典:伊勢型紙共同組合

縞を出すために用いられるこの技法は、定規を使って均等に柄を彫っていく必要があります。

単純作業に思えますが、1本の縞を彫るためには同じ場所を3度小刃でなぞるので、技術のある職人しか彫れない技法です。

最も細かいもので1㎝の幅に11本もの縞を彫る“極微塵”と呼ばれる技術もあるのだそう。

②突彫り(つきぼり)

出典:伊勢型紙共同組合

5〜8枚重ねた型地紙を、手前から奥へと垂直に突くようにして彫刻していく技法です。

彫り口が若干揺れることであたたかい風合いが作り出されるため、絵画的な模様を描くのに向いています。

しなやかさのある柄も描けるのが突彫りの特徴です。

③道具彫り(どうぐぼり)

出典:伊勢型紙共同組合

刃の先が、花や扇の形にかたどられている彫刻刀を使って模様を彫る技法。

専用の道具造りから始まり、その出来栄えによって作品の良し悪しが決まります。

均一な模様や、形を組み合わせた柄の表現ができるため江戸小紋でよく用いられています。

④錐彫り(きりぼり)

出典:伊勢型紙共同組合

刃先が半円形の彫刻刀を型地紙で、小さなくぼみをたくさん彫り抜いて模様を描く方法。

1辺が1㎝の正方形の中に100個程の穴を彫った作品もありますが、単調だからこそ大きさや間隔が揃っていないと美しい柄にはならないため難しく、技術が必要な方法です。

人間国宝の職人技術

出典:中川政七商店の読みもの

1955年には「伊勢型紙」を作る職人達が重要無形文化財として“人間国宝”に認定されました。

・南部芳松 (突彫り)

・六谷紀久男 (錐彫り)

・中島秀吉 (道具彫り)

・中村勇二郎 (道具彫り)

・児玉博 (縞彫り)

・城之口みゑ (糸止め)

当時、初めて人間国宝が認定された際に、30人中の6人が「伊勢型紙」の職人だったことからもその技術がどれほど凄いものなのかをあらわしていますよね。

その後、技術の進歩によって型紙業界での変化が訪れても、高水準の技術を維持し続けた「伊勢型紙」造り。

1988年には、鈴鹿市が“伊勢型紙伝承者養成事業”を開始し、技術の保存と伝承を目的として後継者の育成に力を注ぎました。

しかし、ピーク時は300人近くいた職人も、時代の変化に伴い現在は20人ほどになってしまったのだそう。

繋いでいきたい、日本の伝統文化

出典:中川政七商店の読みもの

時代の変化と共に着物の染め方も変わり、印刷された着物も多く普及している昨今。

「伊勢型紙」の高度な技術を習得するには、並々ならぬ努力と時間が必要になるため限られた人にしか作れないのが現状です。

長い歴史のある日本の伝統文化を、次の時代へと受け継がれていくためには、着物がもっと身近な存在になり、触れる機会が増えることが大事なのではないでしょうか。

私達一人ひとりがもっとたくさん着物を着て、着物の良さを伝えていく。

それが日本の伝統を守ることへと繋がっていくのでしょう。

まとめ

この記事では、日本の伝統文化である「伊勢型紙」についてご紹介しました。

普段着ている着物が、人間国宝の職人の技術によって作られたものだと知ると、より一層特別に思えて、愛着が湧いてくるのではないでしょうか。

この記事を読んで、着物の知識が増えると共に、着物を着る機会を増やそうと思っていただけたら嬉しいです。

それでは、素敵なきものライフをお過ごしください。

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