気温が高くなってくる5月。
着物を楽しみたいけれど、何を着たらいいか悩ましい季節でもあります。
「5月に単衣は着てもいいの?」
「5月の暑さ対策はどうしたらいい?」
今回の記事では、そういった疑問にお答えしていきます。
暑くなってくる季節でも、快適に着物を楽しみましょう!
- 着物の衣替えが分からない
- 5月にぴったりな着物を知りたい
- 着物の暑さ対策をしたい
従来の着物の衣替え
洋服でも、夏と冬では着るものを変えますよね。着物もそれと同じように、季節によって違うものを着る「衣替え」を行います。
- 10月から5月:袷(あわせ)という裏地のついた着物。
- 6月と9月:単衣(ひとえ)という裏地のついていない着物。
- 7月と8月:薄物(うすもの)という裏地がついておらず透け感のある着物。
基本的には、上記のルールに従って衣替えを行います。
5月の暑い日は単衣を着てもいい?
従来の着物の衣替えのルールに則って考えると、5月に着るべき着物は「袷」です。
しかし温暖化の進んでいる近年は、裏地のついた袷では暑いと感じることも多いでしょう。
「5月に単衣を着てもいいの?」
そんな風に思う方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、フォーマルな場面とカジュアルな場面に分けて5月の着物について解説していきます。
フォーマルな場面では袷がおすすめ
結婚式や大きなお茶会などのフォーマルな場面では、暑い日であっても袷を着たほうがいいでしょう。
こういった場所では格式を重んじます。単衣の着物を着ていくと、失礼だと思われてしまう可能性が高いです。
ただし、主催者によっては単衣でもいいとする場合もあるので、迷ったときは主催者に相談してみるといいでしょう。
カジュアルな場面では気温に合わせて単衣もOK
ちょっとしたお出かけなどのカジュアルな場面では、5月でも単衣を着てしまって問題ありません。
着物を着慣れた方は特に、従来どおりの衣替えの季節に合わせないことも多いようです。
建物内は暖房が効いているため、5月どころか1年中単衣を着ている、なんて方もいらっしゃいますよ。
袷でも単衣でも、その日の気温に合わせて着物を選ぶといいでしょう。
5月の着物暑さ対策
最近の5月は、まるで真夏のように暑い日も多いですよね。
袷の着物は暑すぎて着られない、単衣の着物ですら暑い……。
そんな日でも楽しく着物を着るため「単衣の着物を着る」以外の暑さ対策についても解説していきます。
夏物の長襦袢を着る
着物の下に着る長襦袢にも「袷」「単衣」「夏物」といった季節ごとの種類があります。
夏物は麻や絽・紗など透け感のある薄手の生地なので、涼しく過ごすことができますよ。
長襦袢はほとんど着物に隠れて見えないため、季節外れのものを身につけるのに抵抗がある、という方にもおすすめです。
木綿の着物を着る
木綿の着物は、基本的には裏地をつけず、単衣の着物として仕立てることの多い着物です。
絹と違って自宅で簡単に洗える素材なので、汗をかきそうな暑い日でも気軽に着られますよ。
薄手のもの、厚手のものどちらもあるので、より薄手の木綿を選ぶと涼しいでしょう。
涼しげなコーディネートをする
寒色系の着物を着たり、トータルコーディネートで色数を少なくしたり。
見た目が涼しげなだけでも、なぜだか体感温度も涼しく感じるものです。
着姿を見た人をも爽やかな気持ちにさせてくれるのは、着物の大きな魅力の1つですね。
手ぬぐいや扇子を持ち歩く
着物でも洋服でも、暑いものは暑いです。どんなに薄手の着物を着たとしても汗をかきますよね。
そこで、手ぬぐいや扇子など、汗対策ができる夏小物を持ち歩くことをおすすめします。
女性の着物は脇や袖口が開いているので風が通りやすいです。扇子などで仰ぐと、かなり涼しく感じられますよ。
おわりに
今回の記事では、5月にふさわしい着物について解説しました。
- フォーマルな場面では衣替えのルール通り袷を着たほうがいい
- カジュアルな場面では気温に合わせて単衣を着てもいい
- 長襦袢や小物で暑さ対策をするべし
上記の3点を念頭に置いて、着物のコーディネートをしてみてください。
従来の着物の衣替えどおりに考えれば、5月は袷の着物を着るべき季節です。
けれども年々温暖化も進んでおり、かつてはちょうどよかったルールが合わなくなってきている現状があります。
結婚式などのフォーマルな場面においては、ルールを守ることが相手への思いやりや敬意を表すことにもなるため袷を着たほうがいいでしょう。
しかしお友達とランチをするときや舞台を見に行くときなどカジュアルな場面なら、考え方は洋服と同じ。気温に合わせて、着やすい着物を着ても問題ありません。
自分が心地よいと感じるコーディネートで、5月の着物を楽しんでください。
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