「草履」は、着物でお出かけする時の必需品です。
”足元を見られる”という言葉もあるように、ファッションは足元のおしゃれが要。
着物のコーディネートにおいても、TPOにあった感じの良い草履を選びたいものです。
今回は、着用シーンごとの草履の選び方について解説します。
草履選びに悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- これから草履を選ぼうとしている
- 何を選んでいいかわからない
- このシーンにこの草履でいいのかしら?
そもそも草履とは?
和装用履物のひとつである草履は、
・台の底に歯がなく平ら
・鼻緒がすげられている
ことが特徴とされています。
素材はエナメルや金銀の帯地、佐賀錦や錦織のほか、畳表などさまざまです。
現代着物でお出かけする際は足袋で草履を履くのが基本スタイルとなっており、TPOやコーディネートに合わせた草履を選ぶことが大切です。
草履の歴史
草履は奈良時代に中国から伝えられたと言われています。
昔話に出てくるわらやイグサで編まれた鼻緒付きの履物は、平安時代後期には日本でも作られていたようです。
その後、さまざまに改良が重ねられながら明治時代後期に現代とほぼ同じ形の草履が誕生。
昭和に入り革を使用した草履が出回り、主流となっていきました。
草履と下駄はどこが違う?
「草履」と「下駄」のちがいについて、悩む方の声をよく聞きます。
二つとも伝統的な和装用の履物ですが、着用シーンもちがうため使い分けが必要です。
草履と下駄の最も大きなちがいは”台の素材”。
草履はコルクに革や布などを巻いてあるのに対し、下駄は木製という差があります。
また草履は底が平らですが、下駄の底は木の歯になっているため歩くとカラコロといい音がします。
着用シーンにもちがいが。
草履はフォーマルからカジュアルまで幅広く履ける一方、下駄は浴衣などカジュアルなシーンにしか履けません。
特に格式高いホテルやレストランは下駄NGの場所も多いため、注意が必要です。
TPO5シーン別!草履の選び方
着物と同じく、草履にもTPOがあります。
出かける場に応じてふさわしい草履を選びましょう。
ここでは、基本的な着用シーンと草履の選び方について解説します。
結婚式に留袖で参列する場合
結婚式や披露宴に留袖や色留袖で出席する場合は、着物に合わせて最も格の高い草履を選びましょう。
具体的には、ゴールドまたはシルバーの台に同じく金銀糸を施した鼻緒の格調高い草履がおすすめ。
また、草履の台は高いほど格が高いとされています。
第一礼装に合わせる草履は、かかとの高さが5㎝以上あるものがよいでしょう。
結婚式や七五三、入学式で訪問着や付け下げを着る場合
結婚式に親戚や知人の立場で訪問着を着て参列する場合や、子どもの行事で付け下げや色無地を着る際もフォーマルな草履が◎。
薄ピンクや薄グレーといった淡い色合いの台に、金銀糸が少しあしらわれた上品な草履を選びましょう。
台の高さはやはり5㎝ほどあると改まった装いにふさわしい印象になります。
食事会などで小紋や紬を着る場合
食事会や街歩きなどのカジュアルなシーンでは、好みの色柄の草履を選べばOK。
台や鼻緒に楽しい柄のついた草履も話題性があります。
長い距離を歩く時は、低反発やEVAなど歩きやすい素材の台を選ぶと疲れにくくおすすめです。
弔事で喪服を着る場合
お葬式やお通夜で喪服を着る際には、台と鼻緒が黒の草履を履くのが基本です。
訃報は突然届くので、いざという時に困らないよう一足用意しておきましょう。
雨の日の草履
雨の日に着物で出かける時用に、雨用の草履が一足あると安心です。
ウレタンなどの水に強い素材で作られた雨草履が多く出回っています。
本革や合皮素材の草履は水に濡れると痛むことも。
どうしてもお気に入りの草履を履きたい時には、雨用の草履カバーの着用が必須です。
草履の困りごと
草履は着物でのお出かけの必需品ゆえに、悩み事もつきものです。
ここでは悩む声の多い困りごと3選と、対策方法を紹介します。
困りごと①鼻緒が痛い
草履で歩いていたら鼻緒が足にくいこみ痛い…着物で出かけた方からよく聞く悩みのひとつです。
鼻緒がきつい草履は、鼻緒部分をぎゅっと引っ張って伸ばしてから履くのがおすすめ。
また、昔の草履が痛いのは鼻緒が硬い素材でできていることが原因の場合も。
柔らかい布製の鼻緒にすげかえることで、痛い思いをせずに履けるようになります。
履物専門店や呉服店に相談してみるのもひとつです。
困りごと②サイズの選び方がわからない
草履のサイズ選びに悩む方も多いです。
基本的には自身の足のサイズに合わせてメーカーで設定されているS、M、L、LLの中から選びます。
可能であればやはり店舗で試着をして選べば間違いがありません。
また、時々「かかとから足がはみ出しているからサイズがあっていないんじゃないか」と思い相談される方がいますが、草履は台からかかとが少し出るのが普通。かかとが草履の台から1.5㎝ほど出ているのが美しいとされているので、安心してくださいね。
困りごと③保管していた草履の底がはがれてしまった
長年保管していた草履の底がはがれてしまったという悩みもよく耳にします。
合皮素材の草履の寿命は基本的には5年ほど。履いても履かなくても痛んできます。
和装用履物専門店や呉服店に持っていくと修理をしてもらえるケースもあるので、一度相談してみるのがよいでしょう。
まとめ
着物コーディネートの仕上げとなる草履。
おしゃれは足もとから!草履ひとつにしても、オシャレ感アップ間違い無し!(^^)!
カジュアルシーンでは、お好みの遊び心のある草履も楽しいですよね。
TPOによる選び方や困りごとに対する対策を知っておけば、よりお出かけを楽しむことができます。
着る着物や帯の色柄、そして気分に合わせた草履選びで、着物ライフをエンジョイしましょう!
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