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花魁(おいらん)といえば、派手な衣装を色っぽく着ている舞妓さんのようなイメージがありませんか?
テレビや映画で知った人も多いでしょう。
花魁ってそもそも何なのか?
なぜ花魁道中で人を従えて町を練り歩いているのか?
そんな疑問が浮かぶ人もいるのではないでしょうか。
この記事では花魁とは一体なんなのか、その実態に迫ります。
花魁の歴史
まずは、花魁の歴史から紹介していきましょう。
今から250年以上前の江戸時代には「吉原遊郭」というものが存在しました。
吉原遊郭とは、幕府公認の遊郭で遊女を集めたお店のこと。
元々各地にあった遊女屋は、治安や風俗を取り締まりやすくするためにひとつにまとめられたのだそう。
吉原遊郭で働く遊女には、次第にランクがつくようになりました。
その中で最も位が高い者こそが「花魁」と呼ばれているのです。
「花魁」という言葉は18世紀中頃に知れ渡るようになりました。
語源は、遊郭の妹分にあたる遊女が位の高い者を「おいらの所の姉さん」と呼んでいたことが由来とされています。
花魁と同じく最上級の遊女を「太夫」とも呼びますが、太夫という呼び名は次第に薄れて花魁が一般化されていきました。
花魁の階級
遊女の階級は、厳しく細かく決められていました。
遊女に優劣をつけることで客に見栄を張らせ、売上を伸ばす目的があったのだそう。
そしてその階級によって歴然とした待遇の差もあったのだとか。
上級遊女→「花魁」・「太夫」
中級遊女→「格子」・「天神」
下級遊女→「散茶」・「切見世」・「局見世」
見習い→「新造」「禿(かむろ)」
花魁になるためには、それはそれは大変な稽古を積まなければなりませんでした。
・茶道
・華道
・書道
・墨絵
・和歌
・囲碁
・将棋
・琴
・三味線
・唄
・舞踊
・胡弓
・鼓
などなど…
最上級のランクですから、お相手をするのは錚々たる方々です。
話が合わなかったり求めていることができなかったりすると、お客様の顔が立ちません。
見栄を張りたいからこそ花魁を指名するのですから、それ相応の対応が求められるのです。
最上級の花魁は、涙ぐましい努力の上で成り立っているのですね。
花魁といえば花魁道中
花魁といって思い浮かぶものの中に、「花魁道中」もあるでしょう。
艶やかな着物を纏った花魁が高い下駄を履き、特有の歩き方でゆっくりと町を練り歩く姿はとても華やかで印象深いもの。
映画などでも一際目立つシーンなのではないでしょうか。
18センチもの高さのある三枚歯の下駄を履いて、特有の八文字歩きでゆっくりと歩く様子は圧巻です。
これは、お客様から招かれた花魁が、自分達のいる妓楼から揚屋へと移動する際に行われるものなんです。
もともと、上級の遊女と遊ぶ場合、お客様は揚げ屋と呼ばれる店で待機し、そこに遊女を呼ぶというシステムだったのだそう。
まず、揚げ屋に行ったお客さんが花魁を指名します。
すると指名された花魁がお客さんの待つ揚げ屋へと迎えに行きます。
(その際に引舟女郎を1〜2人、見習いの禿1〜3人、下男を1人連れて向かいます。)
それが競われるようになり、より豪華にみせるために進化していったのだそう。
どんどん派手になっていき、人気の花魁が通るときには見物客で人だかりができるほどまで見応えのあるものになったのです。
2種類の歩き方
花魁道中の歩き方は八文字歩きと呼びますが、その歩き方には2種類存在します。
まずは、京都で行われていた「内八文字」という歩き方。
これはその名の通りで、歩き始める時に足を内側に踏み出し、そこから円を描くような曲線で進むというものです。
内側に踏み出すので、品がありおしとやかな印象を受けるでしょう。
もう一つは江戸の吉原で広まった歩き方です。
こちらは「外八文字」と呼ばれ、内側ではなく外側に足を出して円を描いて進む方法。
控えめな印象を受ける内八文字に対して、外八文字は動きが大きく、色気のある歩き方なんです。
花魁の華やかさ、豪華な花魁道中にピッタリの歩き方と言えますね。
まとめ
画像出典:和樂
いかがでしたか?
この記事では花魁に関する情報をご紹介しました。
派手な姿が美しい印象がありますが、当時の遊郭の世界は決して華やかなだけではないことが分かりましたね。
ランクによって対応が変わる世の中で、どのようにして生き残るか。
美貌や若さだけではなく、限られた時間の中で稽古を重ね多くの技術や知識を得なければ上級遊女にはなれない厳しさを感じます。
強くて美しい花魁に憧れる禿はたくさんいたことでしょう。
現在でも、艶やかな花魁の衣装を体験できるレンタルショップもあるようです。
ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
花魁の着物については別記事にまとめています。
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