「着物を箪笥から出してみたらカビが生えていた!」なんて事態は避けたいものですね。
一か月前に着たばかりの着物にカビが生えていたなんてことがもしあったならば、それはきっと間違った後処理をしてしまったことが原因でしょう。
着物は洋服とは異なり、洗濯機でジャブジャブ洗えるものではありません。
だからこそ、着た後にするお手入れがとても重要になるのです。
そこで今回は、着物を正しく管理するために必要な着物のお手入れ方法について、虫干しも含めて詳しく解説していきます。
是非参考にしてみて下さい。
- 着物のお手入れの仕方がわからない
- 着物をよく着る
- 大事な着物はちゃんと保管しておきたい
- 永くキレイに後々も着て貰いたい
着物を着た後のお手入れ
着物は正しく使い、管理すれば100年も200年も使えるものだと言われています。
特に丈夫さで有名な紬は、三世代に渡って使えるものとして知られています。
子供の代、孫の代まで着物を残したいと考えているのであれば、着物を着た後のお手入れを怠ってはいけません。
脱ぎっぱなしは絶対にやめましょう!
外出から戻り、着物を脱いだ後、どうしていますか?
「とりあえず脱いで放置している」
「脱いだ翌日に畳んでしまっている」
「脱いだら畳んで箪笥に入れている」
どれも不正解です!
上記のようなことをしている場合は、今すぐにやめましょう。
着物は、シワと湿気を嫌います。
特に湿気は着物へのダメージが大きいので、極力取り除かなければなりません。
また、シワも着物の染め模様や刺繍模様を傷つける恐れがあるので、できるだけ取るのが良いとされています。
着た直後の着物は着ジワもあれば湿気もかなり吸い込んでいます。
そんな状態の着物を放置しておけば、当然着物の劣化は進んでしまいます。
もっと悪いのは、着た直後の着物を畳んで箪笥にしまってしまうことです。
湿気をたっぷり含んだ着物を箪笥に入れてしまえば、より湿気が増してしまい、カビ発生の原因になります。
場所をとるから早くしまってしまいたいという気持ちもあるでしょう。
しかし、着物の湿気取りをしないまま箪笥にしまえば、箪笥の中も悲惨なことになってしまいます。
絶対にやらないようにしましょう。
出先から帰った後にすべきこと
- 玄関でほこりを落とす
外出から帰ったら、まず玄関で裾や袂についた汚れやほこりを落とします。
ほこりを落とす際には、乾いた手ぬぐいやタオルを用い、軽くたたくようにすると着物を傷めずにすみます。
- 着物と帯はハンガーにかける
着物と帯は脱いだらすぐハンガーにかけます。
ハンガーにかけて干すことで着物を乾燥させることも、シワ取りもできます。
ハンガーは洋装用のものでも構いませんが、あれば和装用のものを用いるようにしましょう。
またこの時、ハンガーにかけながら着物や帯に目立ったシミや汚れがないかの確認をしましょう。
- 長襦袢の衿と袖口にはベンジンを用いる
特に汚れがちな長襦袢の衿と袖口は、念入りにお手入れをしましょう。
タオルを下に敷き、ベンジンを含ませた布で叩くようにして汚れを取ります。
目立った汚れがなくても、そのままの状態にしておくと、後々黄ばみの原因になります。
今日は特に汗をかいたなという時には、必ずベンジンを使って清潔にしましょう。
衿部分があまりにも汚れてしまった場合は、半衿を外し、洗います。
それでも汚れが酷いときには、新しい半衿に付け替えましょう。
- 履物もしっかり汚れを落とす
履物は台が汚れていた場合はクリーナーで汚れを落とします。
さらに乾拭きをして陰干しをしてからしまうようにしましょう。
特にエナメル質ではない錦素材のものは汚れをより嫌うので、しっかり汚れを落とすようにしましょう。
シミや汚れ、カビが見つかってしまった時
丁寧に扱っているつもりでも、汚れやシミなどは経年と共に出てきてしまうものです。
着物に目立ったシミや汚れが見つかった時は、自分で処理しようとしないでください。
着物は基本的には絹素材で、とてもデリケートなものになります。
無理にベンジンやアルコールなどを用いてシミを取り除こうとすれば、色落ちや布の劣化、模様欠損を招く恐れがあります。
では、着物にシミや汚れが見つかった場合はどうすれば良いのかということになりますが、プロに頼みましょう。
いわゆる「悉皆(しっかい)」と呼ばれる、着物のクリーニングやメンテナンスなどを専門に請け負うところに頼みます。
着物専門店でも着物のクリーニングは受け付けているところがほとんどなので、相談してみましょう。
虫干しをして着物の持ちをよくする
着物のお手入れは、着物を着た後だけではありません。
年に二回の虫干しと呼ばれるお手入れを行うことで、着物の劣化を防ぐことができるのです。
虫干しとは?
虫干しは、着物や帯に風を当てて、湿気を取り除く方法のことを言います。
日本は高温多湿なので、年に二回は着物の虫干しをするのが望ましいとされています。
時期としては11月(秋干し)、2月(寒干し)が良いとされています。
少し前までは7月8月の夏季にも行われていましたが、ここ最近の夏は湿度が高すぎるため、虫干しには適さないと言われるようになりました。
虫干しのやり方とは?
虫干しは、11月、2月で数日晴天が続いた後に行います。
空気がよく乾燥し、晴れている日が条件です。
着物や帯をハンガーにかけ、直射日光が当たらない場所で、風がよく通るところに干します。
この時、普段着物を入れている衣装ケースや箪笥なども一緒に干し、しっかり乾燥させるようにします。
日中いっぱい干し、日が陰ってきた頃に取り込んで畳み、しまうと良いでしょう。
まとめ
今回は、着物のお手入れについて、特に着物を着た後のお手入れ、虫干しについて解説してきました。
洋服に比べてちょっと面倒と感じる部分があるかもしれませんが、慣れてしまえば面倒に感じることもなくなるでしょう。
着物が好きという方、着物を後世にもしっかり残したいという方はぜひこの方法を参考に、着物のお手入れに力を入れてみて下さい。
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