季節の変わり目である6月や9月には、どんな着物を選べばいいか迷いませんか。
そんな時には単衣（ひとえ）の着物で、じめじめした暑さの6月や残暑が厳しい9月を快適に過ごせます。
気候や気温に合わせて、着物の柄や色合い、帯や小物を選ぶと季節感を出せて単衣の着物を楽しめます。
この記事では、単衣はどんな着物なのか、単衣に合わせるおすすめの和装品を紹介します。
ぜひ、最後までチェックして単衣の着物を着こなしてみてください。
単衣（ひとえ）とは？
単衣は1枚の生地で裏地を付けずに仕立てられたものです。
生地を2枚縫い合わせた袷と違い、軽く風通しが良いので快適に着れるのが特徴です。
単衣の多くは、腰やお尻部分に透け防止や補強のために居敷当て（いしきあて）と呼ばれる白い当て布が縫われています。
単衣が着られるようになった歴史
単衣は平安時代に貴族の間で、汗を吸ってくれる快適な衣服として着られていました。
4月から9月まで着用し、素材は麻や絹、紬といった通気性の良いものです。
10月からは裏地のついた袷を着て1年を過ごしていました。
江戸時代になると単衣は武士や庶民にも広まりました。
防寒用として綿入りの着物がでて、単衣、袷、綿入りと3種類の着物が一般的になり、単衣は6月と9月に着るようになりました。単衣は平安時代から現代まで大切に受け継がれている着物です。
単衣を着る時期はいつ？
単衣を着る時期は、季節の変わり目で初夏の6月と初秋の9月です。
春単衣と秋単衣とも呼ばれていて、それぞれの季節を快適に過ごせるように作られています。
以下では、春単衣と秋単衣の特徴や着こなし方を紹介します。
春単衣
6月に着る着物は春単衣と呼ばれ、生地は通気性が良く涼しさを感じる木綿、紬、縮緬（ちりめん）が使われているものが多いです。
6月は梅雨に入り、湿度が高く蒸し暑い時期なので、春単衣なら快適に過ごせます。
これから夏になる手前の季節なので水色や緑など涼しげな色を着て夏を先取りするのがおすすめです。
帯や小物の色を単衣と同色にすると、統一感がでて爽やかな雰囲気になります。
秋単衣
9月に着る着物は秋単衣と呼ばれ、生地には薄手ながらも透けにくい木綿や夏紬が多く使われています。
通気性の良く丈夫な生地の秋単衣は、厳しい暑さが残り、秋の風が吹き込む季節にぴったりです。
色はベージュやオレンジなど暖色系のものを選ぶと季節を先取りした着こなしができます。
柄は秋草である萩や桔梗（ききょう）、葉が色づき始める紅葉など、秋を感じさせる柄がおすすめです。
単衣に合わせる和装品
単衣の着物に合わせる和装品は、着るシーンや季節に合わせて選びましょう。
6月なら夏、9月には秋を感じさせる色合いや柄の小物を合わせると全体に統一感がでます。
以下では単衣に合わせる和装品を紹介します。
帯
単衣に合わせる帯は、絽や紗（しゃ）など薄手の生地を選ぶと軽く動きやすいです。
移動や長時間着用する日にも安心して合わせられます。夏の着物に合わせるのが多い絽や紗は透け感があり、カジュアルなシーンにおすすめです。
シンプルなデザインや色が多い麻や絹などの袋帯を選ぶと、結婚式やセレモニーなどのフォーマルな場にも着用できます。
さらに通気性が良く質感が固いため、お太鼓をきれいに仕上げられるのがポイントです。
襦袢（じゅばん）
着物に単衣があるように襦袢にも裏地がなく、腰やお尻部分に透け防止や補強のために居敷当て（いしきあて）をつけて仕立てられているものがあります。
素材は麻や絹、綿など天然繊維が使われているので、肌触りが良く、通気性や吸湿性が優れているのが特徴です。
特に、暑い時期には絽や紗など薄手の襦袢を選ぶと涼しく快適に過ごせます。
汗をかきやすい季節には、自宅でも洗濯が可能なのかをチェックして選ぶのをおすすめします。
バッグ・履物
フォーマルな場で着用する単衣には、クラッチバックやビーズバックを合わせると上品な雰囲気がでます。
金銀箔を使った佐賀錦、美しい模様や色合いが特徴の西陣織のバッグを選ぶと、華やかなスタイルになりおすすめです。
カジュアルなシーンで着る単衣の着物には、かごバックや巾着を選ぶとおしゃれに着こなせます。
小さいものから荷物がしっかり入る大きめのバックがあるので、洋服にも使えるものを選ぶと長く使えるでしょう。
まとめ
この記事では、平安時代から今日まで大切に着られてきた単衣の歴史や単衣に合う和装品を紹介しました。
近年は気候の変化で着物選びに悩んでしまいますが、単衣の着物で気候や気温の変化に対応しましょう。
単衣の生地や柄、合わせる帯や小物1つで涼しさや暖かさなど季節感を出せるので存分に楽しめます。
ぜひ、この記事を参考にして、季節の変わり目や変化する気候や気温に合わせて単衣の着物を着こなしてみてくださいね。
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