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着物は外見だけでなく、内面の美しさも引き出してくれる日本の伝統衣装です。
着物を着て茶道や歌舞伎などを観にお出かけしたいけど、実は着物の歴史についてあまり知らないという人は意外と多いです。
着物には1000年以上の歴史がありますが、知れば知るほどその知識は奥深いです。
この記事では、着物の歴史について詳しく紹介します。着物についての知識を深めたい人や、今よりもっと着物を楽しみたい人はぜひ最後までチェックしてください。
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着物とは…
着物は「着るもの」に由来し、一昔前までは衣服全般を意味していましたが、今では伝統衣装として認識されています。
着物は1枚の布を縫い合わせて作られており、四季や日本人の感性に影響を受け変化してきました。
海外では和製英語の「KIMONO」で親しまれています。英語で辞書登録もされているほどで、日本の文化が広まっていることが分かります。
着物の種類
着物には4つの「格」があります。着用シーンに合わせて、第一礼装着、準礼装着、外出着、普段着に分けられます。
第一礼装は最も格式の高い装いです。結婚式での主催側やお葬式などで着用します。準礼装は結婚式に招待されたときや成人式に着用します。
外出着はフォーマルな場ではないときのお出かけ用ですが、観劇やコンサートにも着用可能です。普段着は日常生活で着用し、お手入れや保管がしやすいものになっています。
着物の歴史を主な時代ごとに振り返る
着物には1000年以上前からの歴史があり、今日まで大切に着られ受け継がれています。
日本の気候や生活様式の移り変わりに合わせ、それぞれの時代にあった知恵や工夫により着物も変化を続けてきました。以下では、時代ごとに着物の歴史を振り返ります。
原始時代
縄文時代には「織る」方法がすでにあったと言われていますが、織物の文化はまだありませんでした。
弥生時代に入ってから中国の織物技術が伝わり、原始的な機織り技術で麻布や植物の繊維を織るようになります。
この技術の発展により、日本衣服の始めとなる「横幅衣(おうふくい)」や「貫頭衣(かんとうい)」が誕生しました。
平安時代
気候によって着物文化が大きく発展したのが平安時代です。
寒いときには重ね着を、暑いときには麻を使うなど工夫されるようになりました。
貴族は小袖を下着として着用し、上には「束帯」「十二単」と言われる豪華な柄の大袖を着用していました。
その象徴として百人一首にも色とりどりの着物を重ね着している十二単が描かれていますね。
江戸時代
江戸時代は、身分によって着物の素材や色に制限が設けられるようになりました。
庶民は贅沢を禁じられており、着物の生地は「麻」「綿」、色は「茶色」「ねずみ色」「藍色」と決められていたのです。
そのため、江戸時代にはさまざまな種類の茶色やねずみ色が流行し、「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」という言葉が生まれました。
また、制限がある中でも、着物の柄や帯の結び方で楽しむようになったのです。
明治・大正時代
大正時代には西洋文化が浸透し、洋服が流行しました。
急速に広まり、男性の仕事着には洋装が導入されましたが、男女ともに暮らしの中では和装が中心でした。
とはいえ、洋風柄の着物が増え、若い女性の間では着物に手提げバックやショール、パラソルといった西洋の服飾品を取り入れたファッションを楽しんでいたと言われています。
昭和時代
昭和時代は大正時代から一新し、着物の柄が花や風景など西洋の華やかな柄に変わりました。
しかし、戦争の影響で男性は国防色の上下服、女性はモンペが主流になります。軍服の需要が高まった影響で洋服がスタンダードとなり、着物の生産や流通が減ってしまいました。
平成・令和
現代は着物離れと言われていますが、冠婚葬祭、七五三、結婚式、成人式などで着る風習が残っています。
最近では、日本の伝統文化とともに着物も注目されています。
また、観光地などで着物を着ている若者や海外の方を見かけることが多くなりました。着物も個性を出せるファッションの選択肢のひとつとして、広まりつつあります。
まとめ
今回は、着物の歴史について解説しました。
着物は長い歴史の中でさまざまな変化を経て、大切に受け継がれています。
着物は日本人の体形の長所を活かして作られているので、長く着用でき、仕立ても可能です。
着物は日本が誇る伝統文化であり、外見の美しさだけでなく、所作やマナー、気遣いも身に付きます。
生きる時代は違っても、豊富な知恵や感性がもたらす和の心は昔も今も変わりっません。これからも時代の変化に合わせ、新たな着物の文化を伝えていきたいですね。
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