成人式で振袖を着るのを楽しみにしているという方は多いでしょう。
憧れの女優さんやアイドルの着物姿を見て、想像を膨らませているという方もいるかもしれません。
「一生に一度の晴れ姿だから、雑誌で見た振袖アレンジを試したい!でもどこまで頼めるの?」
「帯結びって何があるの?」
振袖に袖を通すことを前に、初めての振袖ならではの不安なこと、疑問に思ってしまうこと、ありますよね。
そこで今回は、現役着付け師が、成人式のお着付けについて詳しく解説していきます。
是非、参考にしてみてください。
- 振袖を着る時の準備を知りたい
- 帯結びタイプを選びたい
- 他とは違った帯結びを知りたい
振袖のお着付けは基本的に着付け師にお任せ
毎年行われる成人式には、個性的な振袖の着こなしをしている方がいらっしゃいます。
「頼めば、あんな着付けもしてもらえるのかな?」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、基本的にはびしっと決める王道の着付けしか頼めません。
その理由としては、成人式当日には大量の着付け依頼があり、時間制限が設けられているからです。
1人15分枠での着付けとなると、王道の着付け方法以外ではまず不可能です。
また、成人式には着付け師も人員を大幅に増やす必要があり、見習いの着付け師が呼ばれていることもあります。
当日どの着付け師に当たるか分からないので、振袖の着付け自体は基本的な着付けをお願いするようにしましょう。
その中でも、帯結びに関しては多少のリクエストであれば聞いてもらえることがあります。
あらかじめ帯結びが決まっているという場合は、事前の打ち合わせの際にその旨も伝えておくと良いでしょう。
帯結びは選べる?王道の「福良雀」とは?
帯結びは、基本的には選ぶことができます。
しかし先にも触れたように、成人式当日の着付けには見習いの着付け師が呼ばれているケースも多いので、必ずしも要求が通るというわけではありません。
もし、あらかじめやってもらいたい帯結びがあるのであれば、事前に担当の着付け師に打診しておくことをおすすめします。
ちなみに、振袖の帯結びとして最も有名なものは、「福良雀」と呼ばれるものになります。
縁起物としてもお馴染の福良雀をイメージした帯結びは、誰にでも似合うもので、皇室でも頻繁に結ばれる格式高いものになっています。
成人式の前撮りの際の着付けでよく結ばれるものとしても知られていますね。
どんな帯結びにして良いか分からないということであれば、福良雀を頼むことをおすすめします。
帯結びは大きく分けて3パターン!
帯結びには様々な種類があり、着付けの流派によってその呼称は異なります。
個々の名称は異なるものの、いずれも3つのパターンに分類することができるので、覚えておくと良いでしょう。
リクエストする際も「立て矢系でお願いします」と伝えるととても分かりやすいです。
お太鼓系
お太鼓系は、福良雀を筆頭に、派手過ぎず、女性らしい丸みを帯びたフォルムが美しい帯結びになります。
背中に品よくまとまる帯結びなので、小柄な方に特におすすめの結び方になります。
文庫系
文庫系は、浴衣の帯結びで知られる文庫結びが基本形となったものです。
お太鼓系のように背中と一体になる形ではなく、結び目から垂れる帯の美しさを強調した結びになります。
個性的な柄の帯を持っていて、結ぶことで柄が隠れるのが嫌だというのであれば、文庫結びで帯を垂らすのがおすすめです。
立て矢系
立て矢系は、左上から右下に帯の羽が流れるような帯結びになります。
立て矢系の帯結びはボリュームが出る帯結びになるので、あまり小柄な方には合わず、背の高い方、大柄な方向けの帯結びになります。
最もアレンジ幅が大きい帯結びとしても知られ、アンシンメトリーな結び方、モダンな結び方から優美な曲線を描くクラシカルな結び方まで自在に作れます。
しかし、立て矢系の帯結びは技術力もそれなりに要求されるので、必ずしも着付け師全員が結べるものではありません。
その点は念頭に入れておいてください。
振袖姿にも自分らしさを追加したい時
帯結び、帯結び以外でも自分らしさを出したい!と考えている人もいるでしょう。
一工夫入れたいのであればココというポイントをピックアップしてみたので参考にしてみてください。
余った髪飾りを使ってもらう
もし付ける予定の髪飾りが余ってしまい、なんとかすべての髪飾りを使いきりたいということがあった場合、髪飾りを帯結びの結び目付近に差し込んでもらうこともできます。
髪飾りの大きさにもよりますが、小ぶりのものであれば問題なく帯結びのアレンジに用いることができます。
帯結びにも髪飾りをプラスすることで、髪の毛のアレンジとの一体感も生まれ、大変美しい後ろ姿になります。
帯揚げにも一工夫してもらう
振袖に合わせた帯揚げは「いりく」と呼ばれる結び方で整えるのが基本ですが、ここで人とは違った結び方をして、個性を出したいと思う方もいるでしょう。
帯揚げは、実は結構アレンジできる素材なのです。
バラのような形に仕上げたり、リボンのような形に仕上げたり、帯揚げでも色々作ることができます。
しかし、帯揚げのアレンジは着付け師の技量次第というところが大きいので、もし事前にアレンジを決めているのであれば、そのことを早めに伝えておくことをおすすめします。
帯締めの結び方で個性を出してもらう
振袖に合わせた帯締めの結び方は、ふじ結びというのもが一般的です。
通常の結び方をさらにもう一絡めした結び方で、きっちり感が出ます。
ここ数年は、飾り帯締めと言い、帯締めの端が何本にも分かれているもの、パールのチェーンがついたものなど、様々なお洒落帯締めが流行っています。
このような帯締めの場合は、飾りを意識した結び方になるので、着付け師と相談しながら素敵な結び目に仕上げてみましょう。
まとめ
成人式のお着付けについて、帯結びやアレンジ方法についてまとめてきました。
一着付け師としての経験上、ここ数年で特に多いリクエストは、意外にも帯揚げの結び方でした。
雑誌や有名人の振袖姿にお洒落な帯揚げ結びを目にすることが増えているようです。
気になる方は、ぜひ調べてみてください。
帯結びは、どうしても自分ではよく見えないため、感覚的にもつかみにくいところがあります。
納得いく帯結びをしてもらいたいというのであれば、スマホで写真を撮ってもらって確認するのも手です。
晴れの日に相応しい、自分ならではのアレンジも取り入れた振袖姿を楽しんでください。
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